8月1日~5日 「ふるさと創生大学夏期集中講座」に参加しました。

「ふるさと創生大学」とは、京都大学名誉教授池上惇先生肝いりで始まった「学校」です。5月の開校記念行事に引き続き、夏期集中講座にも参加してきました。
初日は、近藤さん「南部藩―伊達藩か魅了する旅のこころ」
二日目は、中野健一先生による「二宮尊徳が描いた地域発展構想」
三日目は、「震災まちづくりシンポジアム」として「贈与と帰心」佐々木俊三先生、「悲嘆の中に生き続ける真のつながり」岩城和彦先生、そして、「気仙三十三観音徒歩巡礼のこころ」として福田
四日目は、住田町の観光、火縄銃演武、民俗資料館見学など
五日目は、学舎への机、棚などの搬送作業、その後蕎麦作りでした。
以下に、『東海新報』に投稿した原稿を掲載します。
 「千葉修悦です。福田さんいつもお世話になっております」とでかい声が携帯電話からとどろいてきた。名乗らなくても誰と分かる声だ。内容は、住田で新しい学校ができるので、時間があれば開校式典に参加してほしいとのこと。私はよく事業の内容も分からずゴールデンウィーク真っただ中の5月3日、五葉地区公民館に向かった。
  開校式典では、開校される学校の名を「文化政策・まちづくり大学」ということ、東日本大震災の際、全国から多くのボランティアを迎え、いまなお訪れた方々の「第二のふるさと」として人を迎え入れている、ここ住田の地において、美しい自然と豊かな歴史・文化に学びながら、ふるさとを創生できる人材を育成し全国に輩出していく、ひいては世界に住田での学びを発信していくという、壮大なる志を持った学校が新たにこの地になったのだということを知り、とても感銘を受けた。
 3日には五葉地区公民館で開校式典、5日、6日には大船渡市民会館に会場移し「開校記念シンポジアム」が行われ、様々な立場の方が登壇され知見を披露された。
 遠野緑峰高校生徒によるホップ和紙について、綾野浩司氏による大阪・岸和田青少年ウインドオーケストラの試み、津波研究家池田政継氏による「奇跡の集落吉浜」について、平山睦子氏ん、柴田由人氏、及川彌氏による津波来襲時の体験談、藤井洋治氏の「遠野ふるさと学校」の試み紹介などなど。どなたの発表も「人と人とのつながり」がキーワードであった。その「つながり」を温め、育くみ、そして次の出会いへとつないでいく…。その先に大きな成果が立ち現れたというお話しであったと記憶する。
  これらの発表のテーマは「学びあい 育ちあい」とある。私は「ふれあい 語りあい」も含んでよいと思う。教える人/教えられる人という非対称的な存在としてここにいるのではなく、あるときは教える人側に、またあるときは教えられる側にと立場が変わる。
  そこで大切にされていることは、ひとりひとりの紡ぎ出す物語に耳を傾けること、お互いを尊重し放たれた言葉の中に気づきを得ること、その気づきを力として学ぶ力を涵養していくこと…。やさしいやわらかな空間だ。
 世界は混沌の中から生まれたという考えがある。きちんと整えられた世界からは新たなものを生み出す力が弱い。様々な立場で様々な経験を重ねてきた方々が、様々な知見を互いに披露するこの場は、有意なる人材を生み出す強い力がみなぎっていると思う。
  住田の地から恵みを頂き、大いなる成果が生まれるよう願っている。
 私も池上惇先生、千葉修悦さん、藤井洋治先生を初めとするみなさんのお顔を拝しに、お話しを伺いに度々住田の地を訪れたい、と思っている。

おすそわけ運動 お米を寄付いたしました。

Img_3479今年も、お施餓鬼のご案内に封筒を同封し、お米を集めました。写真のようにたくさんのお米が集まりました。その量、80キロ。
お米は、南千住にある社会福祉法人「あうん」さんと、浅草橋にある「セカンド・ハーベスト・ジャパン」さんにお持ちいたしました。
食に困っている方々のもとへお持ち頂きました。

7月17日 施餓鬼会を勤修しました。

  7月17日「大施餓鬼会」が行われました。95人もの大勢の方に参加頂きました。
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今年の講話は、『てくてく気仙三十三観音巡り』の作者しまたけひとさんをお招きし、トークショーを行いました。お題は、「観音めぐって 思いをめぐらす」です。
「中外日報」の取材で、記者の甲田さん、しまさん、わたしで2時間ほどロングトークで盛り上がり、予行演習ができていたので、当日はその流れに則って、私が質問をするというかたちをとりました。ないようはこんな感じです。
・しまさんと知り合った経緯 
・連絡があったときどう思ったのか
・トラヤちゃん命名の理由
・漫画家が行う復興支援   『みちのくにみちつくる』について
・被災地を歩いた感想、復興の様子       『みちのくにみちつくる』の時との違い
・「歩く漫画家」と自称する理由
・ フィクションとノンフィクションの違いとは。
・巡礼に参加してみて
  ひとりで歩いた四国遍路との違い、地元の方とのふれあい、気仙という地のよさ、食べ 物のうまさ、楽しかったこと、印象に残っていること
・どういう方向でこの漫画を書こうと思ったのか
・どういう人に読んで欲しいか
・しまさんから見た徒歩巡礼の意義とは
だいぶ緊張していたそうで、本堂をでるとき檀家の人に「慣れなくて済みません」と謝っていた姿が印象的でした。ほんとうにいいひとですね。

7月3日 モグモグ食堂オープン

Img_34677月3日のモグモグ食堂は、子ども11人、大人5人、スタッフ13人と少なめ。
献立は、タマネギたっぷりの生姜焼き、千切りキュウリ、湯むきトマト、ジャガイモのニラチヂミ、ビシソワーズ、枝豆でした。
タマネギ、ジャガイモを檀家の方からたくさん頂いたのでこのようなメニューになりました。
ジュースは、愛媛県明浜「無茶々園」から頂いた濃厚ミカンジュースです。友人がミカン農家に嫁に行ったので、送って頂きました。しぼったそのままミカンの濃厚な味わいでした。

6月28日 漫画刊行を受け「中外日報」から取材を受けました

Img_3674「中外日報」はお寺の業界紙です。
このたび、『てくてく気仙三十三観音参り』刊行を受け、作者しまたけひとさんと私が取材を受けました。
巡礼について、漫画を書くに到る経緯についてなど、果てには、業界の裏話にいたるまで、2時間ほどたのしくワーワー話しました。
しまさんのコメントとしては、「被災していない私個人の感想はうそくそくなる。ニュートラルな立場を守るように気をつけた」「おじいちゃん、おばあちゃんの手にとってもらいたい。たとえ読まれなくても。地元のことを描いた漫画があることを尻手もらいたい。そして、喜んでもらえれば、ありがたい」と記されます。
しまさん、ありがとー。

6月26日 『てくてく気仙三十三観音参り』が上梓されました

Photo気仙三十三観音巡礼漫画が『てくてく気仙三十三観音参り』と題を変え東海新報社から出版されました。
本の名前を付けるのはなかなか難しいですね。「気仙観音 歩き参り」「春の気仙路 観音巡り」「気仙三十三観音 祈りの道」「気仙の宝 観音参り」など考えましたが、一緒に歩いてくれた金剛寺の真子さん案の「てくてく…」に決めました。
暖かい感じで良いですね。気仙の方から平積みになっている漫画の写真が送られてきました。

6月13日 練馬の三宝寺さんで気仙のご詠歌を録音しました

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今春の徒歩巡礼が終わったとき、参加者から気仙三十三観音ご詠歌CDが欲しいとの求めがありました。
ということで、毎年参加してくれる山本さんがいる練馬の三宝寺さんで録音をしてくれることになりました。
軽い気持ちで午後から伺ったところ、静粛な地下の阿字観道場にて録音。
マイクを口の近くまで近づけた上、かなり大きな声でお唱えすること4時間。声がかすれ、音程もあやうくなってきました。
さて、完成品は如何に。

6月7日 源氏物語を読む会を行いました。

今回は、明石の君の「子別れ」の場面を読みました。
目に入れても痛くないほどかわいい姫君ですが、将来を考えれば源氏の申し出にしたがって、紫の上の養女として育ててもらって方が良い。理屈では分かっていても、身を切られるつらさです。
いよいよ、姫君が牛車に乗りこみます。明石の袖をとらえ「乗り給へ」と手を引きます。袖とは単なる衣の一部ではなく、魂の宿る器と考えられていました。本能的に察知した別離の予感が、「乗り給へ」という言葉を発せさせ、袖を引いたのでしょう。
そこで「末遠き二葉の松に引き別れいつか木高き陰を見るべき」と明石が詠みます。明石から詠んでいるのは、光源氏との感情の共有を意識したのではなく、悲しさに心が揺さぶられその思いが歌となって溢れてきたと考えるべきでしょう。
「二葉の松」は姫君、芽を出したばかりの「二葉の松」はまさに姫君の比喩としてぴったり。
「木高き陰」とは、権力の傘の比喩。大木とはひとつの閉じられた宇宙の比喩であり、旺盛な生命力を持つ存在でもあります。光源氏の傘のもとで、姫君が成長し立派な女君となって栄達を極めて欲しいとの想いが込められている。

「末遠き」は、姫君が成長するまでの時間がまだまだかかる意と永遠をを寿ぐ祝意を表しているのでしょう。
この場面のキーワードは「引き」。母の手を「引く」という悲しい行為と明石入道家のシンボルたる「松」を引くが重ね合わせされている。元気に過ごせるよう、子の日に松を引くという行事を行っていたため、「松」と「引く」とは縁語で、「千歳までかぎれるも今日よりは君に引かれて万代やへん」(『拾遺集』・賀)というように「賀」の詠み方です。
冬であるのになぜ「松」「引く」の語が詠まれているのか。それはこの場面が「離別」であると同時に、姫君の新たな人生のスタート、ようするに「賀」の意味も持っているから。
ひの背反する意味合いを「松」と「引く」の語で表したのでした。

6月5日 モグモグ食堂オープン

Img_3452今月のモグモグ食堂は、子ども13人、おとな12人、スタッフ11人の参加でした。同じ町会の岡田さんが初参加。ご近所の方がお手伝いにきて頂きありがたいです。
たまにはお魚にしようと、いわしのサクサクフライと骨せんべい、カボチャの煮付け、キャベツとマロニーのひき肉いため、新タマネギとベーコンのスープでした。
なんかお酒のつまみのようなメニューですが、鰯の骨せんべいは結構評判でした。ビールが欲しくなりますね。
かぼちゃ、マロニー、タマネギは頂戴した物。ありがとうございます。

5月26日 イタリアの大学生がお寺体験に来ました。

Img_3441イタリア人の大学生3人が成就院を訪れました。私の友人のそのまた友人の娘がイタリアに留学した際、お世話になった家族の一人が、やってきたマリちゃんです。か細い縁がつながりました。
 皆さんお寺に興味津々。まず、畳や障子、床の間の見学。掛け軸の掛け替え実演。本堂で仏像を間近に見て「ワオ」と感嘆。ソース焼きそばと野菜ごろごろカレーを食べた後、マリは「真理」、マニュエルは「摩入得」、エリサは「恵利沙」と毛筆で名前を書きました。その後居酒屋へ。もつ焼き、ポテサラ、モツ煮、まぐろブツなど定番メニューを食します。おいしい楽しいとよく食べてくれました。
  集った人々は、持てる力をすべて使ってコミュニケートしました。今住んでいる石造りの家がどれほど古いか分からないこと、日本のATMの打ち出しが綺麗で早いこと、ピザの形が違うこと、さつまいものお菓子がとてもおいしいことなど、笑い声が絶えません。意思の疎通が結構はかれました。
 もし「通訳」を頼んでいたら、その人を介して話をすることになって、こんなに盛り上がらなかったかもしれません。お互いなんとか伝えたいという気持ちを持てば、スムーズに意思の疎通をできなくとも、心が通い合いウキウキとした空気が生まれます。
  日常生活では、漫然と言葉を交わしても会話は成り立つし、心が通じている気になっていることが多い。互いの言葉をしみじみ味わうという機会がいかに少ないことか。互いに心を寄せ合う空間がいかに大切かを学んだ一日でした。
 後日、マリちゃんからメールが来ました。卒業論文のテーマは、「大日如来」だそうです。

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