2013年

2013/12/28 に岩手県気仙地域の新聞である「東海新報」誌上に、「五葉山からの贈り物―それぞれのいきるかたち―」に住職の気仙三十三観音霊場「一日徒歩巡礼」に関連する記事が掲載されました

14022701  『それぞれの生きるかたち』~気仙三十三観音巡礼の勧め~                    東京都台東区 福田亮雄
 「ひとさじの会」では、この十月、気仙のみなさんに気仙三十三観音霊場をもっと知っていただこうと、住田 町の世田米から上有住までの五つの霊場を巡る「一日徒歩巡礼」を行いました。総勢28名。五葉山などの稜線に点在する紅葉を望みながら、おしゃべりを楽し みながら、柔らかな紐帯を感じつつ、ひがな一日を過ごしました。
四国遍路を歩いて巡ったときのことです。夕方までにあと一カ寺、少しでも先にとつい無理をしていました。御 朱印を頂いてもドライヤーの温風で乾かし早く出発、とあせります。私たちは、子どもの頃から効率的に多くの仕事をこなすことがよいと教えられてきました。 日常生活も自らノルマを設定し、それをこなそうと頑張ってしまいます。遍路に来ても同様。何かに追われるように一つの寺を終えたらまた次の寺へ。道中、徳 島から徹夜で50キロ歩いてきたと誇らしそうに話す青年と会ったことがあります。
 ある日、日向ぼっこをしていたおばあさんに道を尋ねると、「この道は、昔の街道でナ。今は人もよう通らん が、祭りの晩は提灯の明かりが一晩中絶えなかったんもんだ。まあ、ボチボチおやんなさい」とお話くださいました。遍路道には接待所がここそこにあり、お茶 やみかん、イチゴなどを頂くことがあります。そこでは、「最近のお遍路さんは、休んで行きなさい言うても、先を急いでいますからとありがとうも言わんうち にスーッと通り過ぎていく。お遍路は三返回ったから三倍御陰が頂けるんじゃない。道端のお地蔵さんにお参りしたり、地の人と話をしたり、そういうことが大 切なこと。急ぐという事は死に急ぐということ」。とても良いお話しを伺いました。
 「御陰を頂く」とはよい響きを持った言葉ですよね。「御利益」という言葉はなんかナマナマしい。「御陰」 は「おかげさま」の「おかげ」と同じです。温かな陽差しもおかげさま、やさしい声を掛けていただくのもおかげさま、こうして歩けるのもおかげさま…。日常からちょっと離れたときに、たくさんの「御陰」を頂いていることに気付きました。
 
「ボチボチ」歩きながら、たくさんの「御陰を頂こう」と考えが切り替わったとき、心がスッと楽になりまし た。それからは、道端で農協の裏話を小一時間聞いたこともあります。民宿のおばさんと都会と田舎の暮らし方の違いについて語り合ったこともあります。今日はここでと身も楽になりました。
巡礼とは、観音さまと出会う場であると同時に、亡くなった方々とのご縁を結び直す場でもあります。新たな出 会いをもたらしてもくれるでしょうし、普段は目を背けてきた自分自身と向き合わせてくれることもあるでしょう。「ボチボチ」のんびりといろんなことを考え ながらお参りをすると、きっとたくさんの「御陰を頂く」ことができますよ。お知り合いと連れだって「気仙三十三観音」の巡礼に出かけてみませんか。
私たちも気仙の観音さまから、気仙のみなさまからたくさんの「御陰」を頂戴しました。今度地元の高校生と「気仙三十三観音霊場徒歩巡礼」を行う予定です。町で見かけたら是非一声かけて下さい。

2013/12/27 永代供養墓に安置される聖観音像が岩手県住田町「五葉舎」よりお迎えすることが出来ました

Img_0723_r  陸前高田市高田松原の被災松を材として、岩手県気仙地域にある「五葉舎」佐々木公一さんに製作をお願いしておりました聖観音像が完成しました。
 27日佐々木さんが雪の中、自家用車に観音さまを乗せ、10時間かけ成就院までお連れいただきました。
 柔らかく温かいお顔の観音さま、震災を忘れないで欲しい。東京に住む岩手出身者の方にも手を合わせて欲しい。佐々木さんの深い思いが注ぎ込まれた観音さまです。
松は通常仏像の材としては使われないそうです。この度、材木屋さんに事情を話し、節なし、細かく目の詰まった材を、5本目の木から製材してくれたそうです。
 ただいま、ご本堂にご安置しています。朝の勤行で、観音経と気仙三十三観音霊場のご詠歌をお唱えしております。

2013/12/24~24 まで岩手県大船渡市で実施された「サンタが町にやってくる」に参加しました。また、3.11より気仙地域で実施予定の「高校生『祈りの道』を歩く―気仙三十三観音霊場巡礼」の打ち合わせに行ってきました

 「サンタが町にやってくる!~岩手★おおふなと★~」サンマチは、「震災から2年半が経ち、復興 に向かって走っていかなければならない大船渡をもっと盛り上げよう。大船渡にない冬の風物詩を地元大船渡のチカラで作り出そう」(サンマチHPより)とい う思いから企画されたもの。大船渡カメリアホールをメイン会場に、大ホールでは子供たちのダンスやコンサートなど、2階和室では子供たちを対象としたワー クショップ、そしてメインは、サンタウォーク。参加者がサンタの格好をし大船渡内の8コースに別れ、歩きながら出会った子供達にお菓子を配るというもので す。80人以上のサンタが大船渡の各所を歩き回りました。我々は「お坊サンタ」として参加。写真を撮られたり結構人気者でした。ラーメンやから子供達が出 てきたり、スーパーの出入口でお菓子を配ったり、車が止まって窓から手渡したり、楽しく一日を過ごしました。
 翌日は、「高校生『祈りの道』を歩く」の打ち合わせに東海新報社を訪れました。宗教にかかわる団体が学校で募集を書けるのは難しいとのこと。東海新報社さまがバックアップして下さり、誌上にて募集をかけることになりました。これまたありがたいことです。詳しくは、「祈りの道 気仙三十三観音霊場再興プロジェクト」HPをご覧下さい。

2013/11/14~16 御徒町台東中学校の2年生が職場体験にやってきました。

Img_0645_r  今年は、女子が二人職場体験にやってきました。玲亜さととひなさんです。職場体験一番人気は飲食業だそうです。ユニフォームを着ての接客に憧れるのでしょう か。お寿司屋さんは最後に握りを握らしてくれるとか聞きました。美味しそうですね。保育園で子供達と遊ぶのも女子の間で、かわいいと人気だそうです。
 さて、お寺での職場体験。初日、般若心経の写経、お昼作り、勉強会のお茶だし、消しゴムはんこ作成、草む しり。二日目、書院掃除、掛け軸取り替え、書院ガラスふき、食事作り、位牌所そうじ、合羽橋道具街に買い物。三日目、本堂掃除、本堂ガラスふき、草むしり などなど。お寺はいろいろな仕事をさせられちゃいます。三日間一生懸命働いてくれました。印象に残ったことは、お茶出しをしたとき、みなさんからニコニコ してあれこれ話しかけられたことだそうです。これからも二人には定期的に来てもらいたいくらいです。

2013/11/10 成就院手前味噌の会を実施いたしました

Img_0640_r  2月に仕込んだ味噌が夏を越え熟成しました。今年の猛暑を乗り越え黒カビも生やすことなく無事完成。仕込みに参加された方々18人が参加されました。11時集合。味噌焼きおにぎりと豚汁をみんなで作り食べました。ひとり1キロお持 ち帰りいただきました。その日の夕飯か、翌朝食でお味噌汁に使われたのでしないでしょうか。家族の方々にも、自分たちで味噌を作るという物語を共有してい ただければ嬉しいです。

2013 秋 「成就院 菊まつり」

Img_0646_r   今年も松田さんが丹誠込めて育てた菊をお持ち下さいました。色もかたちもとりどりの菊がお参りにいらした方の目を楽しませてくれます。外国人観光客の方々も 菊を見て境内の中に入ってこられます。ただし、いくつかの鉢はネズミにかじられてしまいました。残念。もしかしたら、稲穂をたべたのもネズミかも…

2013/11/04~06 高尾山から御嶽神社へと予定した峯中修行に行ってきました。

Dcf00001_r  11 月4日から6日まで峯中修行に参加しました。高尾修験の戸田先達と高尾山をスタートして御嶽神社まで尾根をたどれれば素晴らしいねと話が出たのは昨年でし た。あまりにも長い道のりなので、とりあえず試行してみようと、歩きやすい秋のこの時期に歩くことになりました。百観音成就院小鍋師も参加されました。写 真は陣馬山頂にて。
 4日の夕方高尾山に到着。特別に坊入することができました。外に出ると一面に無数の灯りがきらめき、思いもかけない出会いに得した気分になりました。
 翌日は、4時半起床。5時ヘッドランプを点灯して出発。八丁平、小仏峠、景信山、明王峠、陣馬山と休憩を とります。快晴、富士山がきれいに見えます。陣馬山からはぐっと人が減り、醍醐丸、生藤山、笹尾根に入り浅間峠、そして小棡峠から笛吹入口バス停へと下りました。着いたときは4時半。辺りは薄暗くグッと冷えてきました。バスに乗りかんづくり荘へ。冷え切った体をお風呂でゆっくり暖めました。山菜、こんにゃ く、などの地の食材で作られたお料理でおいしくいただきました。体を横たえた1分後にはすーっと寝入ってしまいました。
 翌日は、両足がつった人、下りで膝がボロボロになった人など、無理しないでおこうということに。なじみの立川の華盛楼でささやかに精進落としを。御利益を落としきらないよう気をつかって家路につきました。リベンジしようかあきらめようか、ただいま思案中です。

2013/10/14~16日 「そうだ、被災地へ行こう―気仙を巡る旅」檀参に行って参りました。

137_r 10月14日から16日まで住職が活動している岩手県気仙地域に檀参に行って参りました。被災地をこの目で見てみたいという方もおり、檀参初参加6名、総勢18名でした。できるだけお金を気仙で使おうと思い、バス会社、宿泊所も気仙の会社にいたしました。
 初日は、平安時代の中央政府の機関であった胆沢城へ。「奥州市埋蔵文化財調査センター」で学芸員の方に説 明いただき、蝦夷の暮らしや胆沢城の構造について学びました。次に、「えさし郷土館」で、気仙三十三観音の霊場でもあり、東北の大長者といわれた稲子澤家 がお守りしていた百観音を拝観、こちらも、学芸員の野坂さんにご説明いただきました。さらに野坂さんには、「藤里毘沙門堂」まで同道いただき、詳しい解説 を頂きました。ありがたかったです。毘沙門堂には、坂上田村麻呂と同じ背丈の平安時代の毘沙門さまほか幾体もの仏さまがありました。その晩は、住田町世田 米のホテル高勘泊。
 二日目は、気仙三観音の一つ真言宗智山派長谷寺で平安仏の十一面観音さまを拝観しました。ご住職、総代さ んたちにお迎えいただきました。そして、かもめの玉子で有名な斉藤製菓の工場内に設置されている「大船渡津波伝承館」にて館長の斉藤さまより、震災当時の 映像をみた後から1時間半に渡って、震災直後の様子、ご親族を捜しに避難所を巡ったこと、そしていまの状況など身につまされるお話をいただきました。お昼 は、気仙行きには必ずうかがう大船渡屋台村の「なかむら」へ。昼伺うのは初めてでしたが、海鮮丼おいしく食べました。。気仙三観音の一つ 常膳寺を拝んだ後、気仙川脇の金剛寺さまへ。津波で本堂・庫裡が全壊しました。何もなくなってしまった跡にたたずみ、在りし頃を想像しました。みなさんお 疲れの様子なので、浄土寺さまを拝んだ後、ホテル碁石へ。その晩は、施餓鬼会で歌ってもらったHAMAちゃんのお父さんが経営する「じゅん」で楽しいひと ときを過ごしました。
 最終日は、台風来襲。朝からスゴイ雨と風です。近くの松林の松が倒れんばかりに揺れていました。本来なら ば震災の遺構をみながら震災の語り部実吉さんにお話頂く予定でしたが、普門寺さんのご本堂をお借りし、一時間半、お話しいただきました。リアルなお話にみ なさん涙されていました。最後に圓城寺にて、金剛寺のご本尊で震災の一週間後、がれきの中から発見された如意輪観音さまを拝観しました。帰りは新幹線のダ イヤが乱れ、立ったまま東京まで帰った方もいらっしゃいました。
 みなさん、実際現地に行き、そこに立って初めて分かることがあるとおっしゃっていました。気仙の方々にも親切にそして温かくお迎えいただきありがたかったです。当初の予定表を以下に掲げます。

14日:上野駅(8:46)…水沢江刺駅(11:25)…昼食「南部屋敷 江刺店」〈そば〉 (12:00)…奥州市埋蔵文化財調査センター(13:00)…胆沢(いざわ)城…えさし郷土文化館〔稲子澤家百一観音参拝〕(14:00)…藤里毘沙門 堂(15:30)…ホテルグリーンベル高勘(16:30)    

15日:ホテルグリーンベル高勘(8:30)…第22番 長谷寺(ちょうこくじ)〔平安仏拝観〕(9:00)…大船渡津波伝承館 (10:00)(11:00)…昼食 大船渡屋台村「なかむら」〈海鮮丼〉(11:30)…第27番 常膳寺(じょうぜんじ)…第2番 金剛寺…第3番 古谷(こや)観音堂…第4番 要害(ようがい)観音堂跡…第33番浄土寺…ホテル碁石(15:00)

16日:ホテル碁石(8:30)…第24番 熊野神社熊野堂…道の駅〔震災の語り部による解説〕(10:00)(12:00)、気仙中跡、一本松、旧市役所、普門寺等を案内していただく…昼食 陸前高田未来商店街 食堂「てるてる」〈松花堂弁当〉(12:00)…圓城寺(えんじょうじ)〔ガレキの中からよみがえった観音様参拝〕(13:00)…松川二十五菩薩堂 (14:30)…一ノ関駅(15:53)…上野(18:23)

2013/09/21 秋彼岸会勤修いたしました。

08_r   9 月21日に秋彼岸会を勤修いたしました。120名を超える多くの方に参加いただきました。講話の講師として、ひとさじの会で知り合った安田和喜さんをお招 きしました。安田さんは大学一年生で、「こどなの語り場」の代表を務めます。彼は、家庭にいろいろ事情り児童養護施設に入りましたが、この春卒業。一人暮 らしを始めました。児童養護施設は、施設間格差が大きいそうです。しかし、子供たちの交流はなく、例えば奨学金があることさえ知らされない施設があるとの こと。そこで、彼は子供たちの交流の場として「こどなの語り場」を立ち上げ、サマーキャンプなどの活動を継続的に行っております。この日は、児童養護施設 というものをまず知ってもらい、合わせて施設が抱える問題点を共有していただきたいという趣旨のお話でした。孫と世代が重なる檀家のかたも多く、共感を もって聞いていただけたと思います。

永代供養塔「とこしえ安穏廟」(仮称)を建立いたします

   弘法大師堂の左手、現在、サンルームと物置のある場所に、永代供養塔「とこしえ安穏廟」(仮称)を建立することになりました。10月より本格的に工事が始まります。年内には完成の予定です。
 普通、永代供養墓といいますと、四角い石室の上または前に石造りの仏さまが祀られているという形態がほと んどですが、成就院の永代供養塔は、二つの円柱で構成されています。右の円柱には、木造の聖観音さまが御安置されます。聖観音様は、東日本大震災の大津波 でなぎ倒された、岩手県陸前高田市の高田松原の被災松を材として、気仙の仏師「五葉舎」佐々木公一さん制作をご依頼しております。左の円柱にはご遺骨が収 められます。ゆくゆくは、観音様の下にあるカロートに合祀されます。左の円柱は砂地が吹き付けられざらっとした感じ、右の円柱は石がはり付けられ整った感 じとなります。
 二つの円柱を八の字を書くようにお参りしていただくのですが、その路には「気仙三十三観音お砂踏」を作ります。今年の3.11から4日間をかけ、気仙三十三観音霊場を徒歩巡礼したときに、各霊場でお砂をいただいて参りました。
 家というものが多様な考え方・生き方によって、ますます揺らいでいく将来、成就院を護持発展させていく大きな存在となるかと思います。
 お参りの際、東日本大震災で亡くなった方々、いまだ辛い暮らしを余儀なくされている方々にも思いを馳せ、お手合わせいただければ幸いです。

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー